このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
★北京めざして (7)★
22日、煙台二日目の朝は8時半頃に起きてチェックアウトをし、荷物を預けて身軽になってから街へ出ました。宿のすぐ横に船着き場があり、ちょっと覗いてみると大連、天津に向かう船の他に韓国の釜山へ行くフェリーもありました。ごく普通の船着き場なのにこの先に異国があるという感覚がとても新鮮です。ちょっと迷って14時発の大連行き高速船の切符を購入。所要時間は3時間。189元(約2400円)の運賃はやや高い気がしますが、100元前後(五等から二等までの席があって値段に幅がある)の普通船だと10時間もかかってしまいます。切符を買ってから20分程度行くと「煙台山公園」に到着。黄海に突き出しているこの公園には灯台があり、そこに登って三方を囲む海の眺めを楽しみました。どこの国へ行っても海のある街って好きだなぁ。左の写真は灯台の西側の景色です。 | |||
灯台から東の方を見ると左の写真の様に海岸線が続いていて、地図によると海水浴場のようでした。砂浜で戯れる乙女たち、大胆な水着姿...よし海水浴場に行こう! | |||
近いと思ったら結構な距離がありました。ここに着くまで炎天下を30分ほど歩きました。が、写真の通りのあり様で水着の乙女はまったく見あたりません。泳いでいる人もいるにはいるのですが、ガキとオッサンばかり。あとは潮干狩りでしょうか、「これは食べられるよ」なんて言いながら何かを採取していました。うーん、食べることは大事なことなのだ。夢やぶれてしばらく砂浜をウロウロしていたら水着を売っている人がいました。竹で作った簡単な物干しのような所に色とりどりの水着をまとったマネキンが15体ほど吊されているのです。これは不思議な光景だったので別のカメラの方で撮影しました。あまり売る気が無さそうで買っている人も見かけませんでしたが。 帰りは1元の二階建てバスで駅前まで戻り、2時の船まで時間はたっぷりあるのでその辺りで時間を潰しました。駅の電光掲示板を見上げると北京、上海など馴染みの地名に混ざって佳木斯(ジャムス)なんてロシアに近い街の名前まであります。しかも「軟臥」の席に空きがあってずっと気になっていました。 早めの昼ご飯は駅前で。猪腰の串焼き二本と牛肉麺で9元。食べながら「地球の歩き方」を読んでいると今度はフフホト(内蒙古)の先の草原の写真が私を誘惑します。草原もいいなぁ、と思って行き方を調べてみると北京から行った方が便利なようだったので、これは別の機会に、そして今度は一人じゃなくて誰か友人と来ようと思いました。面白いものを見つけて一緒に笑えて、ウマイものを喰って何語でもいいから「うまいなぁ」って言い合える人と一緒に旅をするのもいいなぁ、とちょっと思ったのです。 | |||
午後2時。船着き場で待っていたのは写真の様なきれいな船で一安心。乗り込むと船員が「二階に上がればデッキに出られるよ」と言っているので階段へ向かったら「30元!」とのこと。お寺でも公園でもいい所に入ろうとすると別料金なんですね。でもデッキに出られるのは魅力的だったので追加料金を払って二階席へ。30元余分に払っただけあってVCDで香港映画をやっているし、枕と膝掛けを貸してくれるし至って快適。上海航路に続いてここでも海は穏やかで、遠ざかる煙台の灯台をデッキから眺めているとなーんの根拠もないのに「幸先良さそうだな」と錯覚してしまいます。 乗り込むときに二階席を宣伝していた船員が「日本人かい?」と声をかけてきたので船中では彼と色々と話しをしました。大連出身の張さん。人の良さそうなおじさんで、大連は久しぶりだと私が言うとこの数年で大連がどんなに変わったか、大連のサッカーチームがどんなに強いか、どこの店の海鮮がうまいかなどを熱心に話してくれました。 | |||
さて、写真を撮ろうと思ってデッキに出ると、私は自分が入らない絵が欲しいのに張さんは「俺が撮ってやるから、この柵に右手をついて左手は腰に当てろ」とか、「今すれ違う船は大きいからバックにしろ」とか、まぁホントに親切というかお節介というか...苦笑しつつ中国人風な写真を撮ってもらいました。でもなぁ、せっかくポーズ取ったのに、指が写り込んでるんだけどなぁ。 電池が切れたのでデジカメをしまって一眼レフを取り出したらもう大変!「これはいい!!こっちのカメラで撮れ!」ということになって、色々なものを背景にさらに何枚も撮ってくれました。記念にと思って、一緒に写りましょうと申し出たら、「ちょっと待ってろ」と言い残してしばらく戻ってきません。数分後、制帽を被って徽章を制服の胸に付けて更にサングラスまでかけて嬉しそうにデッキに戻ってきた張さん。素敵だなぁ。フル装備の張さんと私の写真は北京で現像して彼に郵送することにしました。 後日、北京で現像したら同じポーズの私の写真がどれも二枚ずつあるのです。以前アメリカで無料で二枚ずつプリントしてくれるサービスがあったのでその類かと思ってよく見たら微妙に船の位置が違っていたりして...どうやら張さん、私のカメラをよほど気に入ってくれたらしく、一回に二枚づつ撮っていたのです。 22日、午後5時。定刻通り大連に入港。 |
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