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現地に住む日本人(poroco2000年8月号) | |
フォルテピアノ(ドイツ語ではハンマークラヴィア)という楽器をご存知だろうか。現在のピアノの前身に当たる楽器で、モーツァルトやベートーベンが活躍していた頃、彼らの曲はこの楽器で演奏されていた。ピアノに比べると音量は若干小さいが、とてもやさしい音がする。 ハーグの音楽院に留学しフォルテピアノを学んでいる大羽さんは、小さい頃から日本でピアノを習っていたのだが、「バッハの曲をチェンバロで、彼が活躍していた頃の音で弾きたい」と思ってヨーロッパに留学。数年間チェンバロを学んだ後オランダに移り、このフォルテピアノを学ぶようになった。大羽さんによると、オランダはフォルテピアノに限らず古楽のメッカで、世界中からよい先生や学生が多く集まっており、アンサンブルなどを組むための仲間も多く、その他いろいろなシステムがよく整っているのだそう。また、オランダという国も「古楽だけでなくモダンアートも盛ん、というようにフレキシブルさを持つ国であり、同時に外国人にとって住みやすい所なので気に入っている」との事。同じ国に住む者として、嬉しい言葉である。 (写真:大羽さん。弾いているフォルテピアノは19世紀半ば製のもの) オランダで働く日本人も勿論いる。例えば日本食レストランで調理師として働く千賀さんがそうだ。以前から「ヨーロッパで仕事をしたい」と思っていた千賀さんは、日本で通っていた専門学校に送られてきた求人広告を見、それに応募、見事採用されて今年の 4月にオランダにやってきた。まだこちらに来たばかりでさぞかし苦労も多いのでは、と思ったのだが、「オランダは大抵のところで英語が通じるし、特に困ったことはありません」という頼もしいお返事。今は仕事が忙しくてなかなか時間が取れないが、これからヨーロッパをあちこち旅行するのを楽しみにしているそうである。(写真:千賀さん。アパートのバルコニーで)
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