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オランダの「結婚」 この原稿は実は都合により雑誌には掲載されなかったんですが、 | |
実を言うと、私がオランダに来て一番大きなカルチャーショックを受けたのが、日本とオランダにおける「結婚」というものの差である。 例えば結婚式。何とオランダでは市役所で、市の職員立ち会いのもとで式を挙げるのだ(ちなみに有料である)。ここで日本の婚姻届にあたる書類に新郎新婦、証人、それから市の職員が署名をして晴れて結婚が成立する。本当に新郎新婦と証人、市の職員だけで質素に行われる結婚式もあれば、家族・親類・友人などたくさんの招待客とともに派手に行われる式もあり、これはカップルの希望次第である。市によっては古い教会や歴史のある建物などで式を挙げさせてくれるところもあるし(ただし追加料金が必要)、住んでいない市で式を挙げることも問題ないので「結婚式は我が市でどうぞ」というところも出てきている。 信心深い人はこの後教会に行ってもう一度結婚式をする。つまり、市役所で誓いの言葉を述べ、指輪を交換し、それが終わったら指輪を外し、教会に移動してもう一度誓いの言葉を述べ、指輪交換をする。実はこれ、一般市民だけでなくオランダ王室の方々も同じように行う。2002年2月2日にアムステルダムで結婚するオランダの皇太子も、まず市役所で式を挙げ・・・といいたいところだが、彼らの場合は招待客が多すぎて市役所では入りきらないのでアムステルダムにある旧証券取引所で式を挙げ、その後そこから歩いて5分ほどのところにある新教会でもう一度式を挙げる。 ところで、この皇太子のお相手であるが、何と外国人(アルゼンチン人)である。いやいやそれだけで驚いてはいけない。皇太子の父、つまりベアトリクス女王のご主人も外国人(ドイツ人)である。そして、2人とも恋愛結婚である。確かにオランダでは国際結婚は珍しくも何ともないし、ヨーロッパの王室では昔から政略結婚という形で国際結婚が当たり前に行われていたのだから驚くことではないのかもしれないが、しかし、それでも、やっぱり日本ではありえないだろうなぁ、としみじみ思う。 日本では(まだ?)ありえないこと、といえば、オランダでは2001年4月から世界に先駆け同性同士の結婚も法的に認められるようになった。熱心なクリスチャンの人や、オランダの人口の約10%を占めるイスラム教の人達からはやはり反対意見が強いが、ほとんどの人たちが特に抵抗もなく受け入れているようである。
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