このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 

 

 

1日目(名古屋⇒ハンブルク)

 

 今回の旅行は、今年開港したばかりの中部国際空港からの搭乗。空港までは名鉄特急を利用した。朝7時半の名鉄金山駅のホームは通勤とスーツケースを引きずる乗客で大混雑。列車待ちのホームで居場所を探すにも一苦労した。乗車した空港特急は6両編成の前2両が指定席車という編成。座席は満席。ノンストップではないので列車はこまめに停車。所要時間は30分程というものの、停車駅の多さとその度になるセンスの無いチャイムに少々イライラする。


 列車は空港連絡橋を渡って空港に到着。チェックインを済ませて友人一同に「いってきます」メールを送信する。手荷物検査では相変わらずベルトのバックルが引っかかった。免税店めぐりと朝食の仕入れをしていると、地上係員の「フランクフルト行きのお客様〜」の声。やれやれ、また呼び出し寸前。搭乗した飛行機はルフトハンザのA340。セントレアが開港してから毎日運行となったフランクフルト行きである。毎日運行となって便利になったものの、帰りの名古屋行きは満席で航空券が取れなかった。チェックインカウンターで聞いたところ、今日の行きの便は若干余裕があるとのこと。
 中部国際空港を離陸。フランクフルトまでは自分の隣に乗客は無く快適だったが、ルフトハンザのエコノミーにはまだパーソナルモニターが無く、少々退屈だった。


 飛行機は定刻にフランクフルト・アム・マイン空港に到着。ドイツ入国前に円をユーロに両替して、カフェでコーヒーを1杯注文。


「アイン、カフェ、ビッテ。」


 注文は相手の顔を見てはっきりと言うことは、ヨーロッパに来ると心掛けていること。でも日本でやると気持ち悪がられる場合が多いのはなぜだろう。
 ゆっくり時間をつぶしたところで入国し、ハンブルク行きの搭乗口へ。飛行機は小さめのB737。レカロの革張りシートに座る。上がった。ドリンクがきた。降りたの忙しい1時間のフライトでハンブルクに到着。ハンブルク空港は2度目。小牧時代の名古屋空港のようなこぢんまりとした空港。ハンブルクは港町。とはいえ、空港の中に「立喰寿司屋」があるのにはビックリ。ちなみに店の名前は「Sashimi」だった。

 ハンブルクでのホテルが中央駅の近くなのでバスを利用。バスの車窓から流れる街並みを見て、やっと日本を脱出してヨーロッパへ来られたことを素直に喜んだ。

 中央駅に着いたがホテルの場所が分からない。そこへ、胸に「DB」(ドイツ鉄道)の刺繍が入ったアノラックを着たDBの係員が通りかかったので聞いてみると、親切にホテルが見える位置まで案内してくれた。


 ホテルでチェックインを済ませて夕食を採りに街へ出る。その前に中央駅の切符売り場、ライゼ・ツェントラムで後日乗車する寝台券の手配と、ユーレイルパスのヴァリテード(使用開始の刻印)を済ませることにした。中央駅の切符売り場に並ぶ。15人ほどの列になっていたが、程なく順番が回ってきた。ユーレイルパスと予約する列車のメモを見せる。まずはユーレイルパスのヴァリテード。慣れていない係員だと記入漏れをされてしまうことがあるので、覗き込んでチェックする。今日は大丈夫。続いて寝台券の予約。4日目に乗るシュトラールズンドからケルンまでのNZ(ナハトツーク、ドイツ国内を走る夜行列車)は、希望通り個室寝台を取ることができた。しかし、5日目に乗るアムステルダムからバーセルまでのシティーナイトラインは個室寝台が満室。クシェットという開放型寝台しか空いていないという返事。シティーナイトラインは10年ほど前に運転を開始したホテルトレインで、その設備やサービスが自慢。この列車に乗るのなら個室寝台でと思っていただけに残念。とはいっても、この列車に乗らなくては旅程が成立しないので、仕方なくクシェットの予約をする。


「シャーデ。(残念)」


 と係員に告げると、


「でもリーズナブルだよ。」


 と慰めてくれた。

 

駅前のレストランにて夜のハンブルク中央駅突然、花火大会!


 夕食の店選びはバスから見えた駅前のレストランが集中しているところへ行ってみた。5月のドイツに来たなら、シュパーゲル(ホワイトアスパラガス)を食べなければ始まらない。1年でこの時期にしか食べられないドイツの名物料理である。どの店にもシュパーゲルを使った料理が店の外に出ている看板形のメニューに書かれている。その中の1件へ。店の外に並んだテーブルで食事を取る人も多いが、落ち着いた店内に入る。店内は港町らしく帆船の模型や海が描かれたポスターで装飾され気分を盛り上げてくれる。早速ビールを注文。続いてグーラシュズッペにシュパーゲル&シュニツッェル。グーラシュズッペは肉を煮込んだシチュー風のスープ、シュニツッェルは子牛のカツレツ。どちらも定番ドイツ料理。これにホワイトアスパラガス「シュパーゲル」。希望通りの贅沢なメニューだ。ホワイトアスパラガスといっても、親指ほどの太さで迫力がある。やわらかくボイルされ、ナイフで簡単に切れる。これを甘辛いソースに絡めて口へ運ぶ。シュパーゲル自体に味はあまり無いので、この料理はソースの良し悪しで味が決まるが、たまらなく美味しい。これで身も心もドイツな人。帰り際、店員に、


「おいしかった」


 と伝えると、


「どこから来た?へ〜日本!駅の向こうにある日本庭園がいいよ、行ってみな!」


 と言う。


「明日是非行ってみるよ。」


 と言って店を後にした。すっかり気分が良くなってホテルへ帰る。


 ホテルでくつろいでいると、窓の外で突然、「ドーン!ドーン!」と大きな音がした。「砲撃でも始まったのか!」とありえないことを思いつつ窓の外を見ると、アルスター湖の方で花火が上がっていた。突然の音に通行人もビックリしたらしく、花火の見える方向へ走って移動していた。ホテルの窓からはベストポジション。まるで私の海外逃亡を祝福しているかのようだ。とは言いすぎか。花火は1時間ほど続き、目を楽しませてくれた。


 その後はのんびりとテレビを眺めていた。ドイツ定番のCMに笑っていると、突然日本の時代劇が始まった。それもとても古いものである。画面には日本語で「お千代舟」と出て、下に「Chiyo‘s Boat」と字幕が付されている。ドイツ語に吹き替えられていてその画面にしばし違和感を覚えた。日本ですらこんな古い時代劇を最近は見なくなった。ドイツでの日本のイメージはこんな時代なのだろうか。


 そしてハンブルクの夜は更けていくのであった。

 

2日目へ

EURO2005TOP  1日目  2日目   3日目   4日目   5日目   6日目   7日目   8日目   9日目

EURO EXPRESS    トップページ

 

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください