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          中国拉面三昧 2007年3月24日更新
 
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私たちが日頃食べているラーメンのルーツは中国です。上海に来たら「本場ラーメン食べまくり」と思っていましたが、初めて上海で食べたラーメンは想像とは全く違ったラーメンでした。その印象は「大きなそうめんに薄いスープ」を入れているだけという感じで麺にコシがなく・スープにコクがない!! 中国ラーメンの第一印象はガッカリでした。

 中国は広い きっと美味いラーメンがあるはずだ!! と思って上海にあるいろんな中国麺の食べ歩きを始めた結果、いろいろ種類が多く奥が深い事がわかりました。まだまだ情報不足ですが、上海で食べられる各種中国麺を紹介します。
  
各種中国麺の紹介

河南刀削面

蘭州拉面

新疆拉面

蘇州系湯面

東北系

台湾系

その他中国面

中国的方便面

日式拉面

うどん打ち


 
食べ歩きをしているうちに、日本人が「中国のラーメンは不味い』と思う理由がわかりました。中国の「拉面」は手で引っ張って延ばした麺の事で、一般的に見かけるのは「蘭州拉面店」くらいで、ほとんどが機械で延ばしたか、市販の麺を使ったと思われる「ただの麺」です。ましてや日本でいう「ラーメン」は全くありません。わかった事はと「ラーメンは日本食」、このイメージを持って中国麺を食べるとガッカリする訳です。
 そういう面では、このタイトルは「中国麺三昧」が正しいという事になりますが、こっちの名前の方が好きなので、あえて使っています。
  
 
中国麺ウンチク
■中国麺の特徴
 中国のラーメンと日本のラーメンの大きな違いは3つあります。
一つはラーメンに求める優先順位です。日本のラーメンは①スープ ②麺 ③具ですが、中国の麺は①具 ②麺 ③スープの順番です。これはラーメンの名前を見てもわかりますが、日本のラーメンは「味噌ラーメン」「醤油ラーメン」とかスープの違いが名前になっています。中国の麺は「五香牛肉麺」「噬㌧扉某中」などのように具が名前になっています。そういう面では「うどんと同じ考え方」になるなとか思ったりします。

二つ目は、麺の作り方です。中国麺は手延べ麺が中心のため、コシが少なくなります。そして延ばすために油を使うので、日本のそうめんみたいな麺になっていまいます。

三つ目はかん水の使い方です。中国の拉面は具に特徴を出すためあっさり味の鶏ガラスープが中心ですが日本のラーメンはスープに合わせるため麺の「コシとつるみ」が重要になります。このため中国麺に比べて「かん水」多く使われています。この違いが物足りなさにつながっているかと思います。

その他の食べ物も同じですが、油が多く味付けが濃いので「素材の味」には「鈍感」かなと思います。これはパンやご飯でも同じですね、こんな文化の違いが麺の味にも出ているのだと考えています。

■麺の食べ方
  ①湯面   tang mian  :熱いスープに茹でた麺を入れて食べる普通のラーメン
  ②炒面   chao mian  :麺を具と一緒に炒める麺つまり焼きそば
  ③拌面   ban mian   :スープがなく麺に具を加えて食べます。中華スパゲッティみたいなもの
  ④涼面   liang mian   :日本の冷麺と同じ麺 「涼拌面」とも言います。
  ⑤面    wai mian   :煮込み麺、これはあまり見ない
  ⑥炸面   zha mian   :生麺や蒸し麺を揚げて食べる。日本のパリパリ焼きそばと同じようなものか?

中国人は大喰い
拉面を注文して量の多いのにビックリ!! 多い所では3人分はあろうか?と思うくらいの量です。一人で食事に行き炒飯・拉面・ビールを注文すると大盛り炒飯・大盛りラーメンが出てくるので半分くらいしか食べられません。インスタントラーメンも同じ、日本のは100gが標準ですが、中国のは130gが標準となっています。
蘭州拉面は2両・3両・4両と選べるようになっています。ちなみに1両は50g 重さは面か小麦粉の重さか定かでありませんが、どうしても面の重さとは思えません、たぶん小麦粉だろうと思います。なぜかと言うインスタントラーメンでも2.15両(130g)だからです。

書き方は「面」か「麺」か「めん」か?
日本語では「麺」はうどん・ラーメン・蕎麦などの麺類をいいます。中国語では「麺」は繁体字で一般的には使われてなく、簡体字「面」と言う字が使われています。意味は日本語の「面+麺+麺粉・・・+面(ツラ)」と幅広い使われ方をしているので、字を見ても意味がわかり難くくなっています。そういう面では日本の「麺」が一番わかり易いと思います。
ある本を読んでいたら、一般的な呼び方は「めん」、固有の呼び方は「麺」となっていました。ここでは一般的には「麺」、中国麺は「面」という使い分けをしたいと思いますが、現実の文章では言葉の使い方がバラバラになっています。
 

麺の作り方      
①拉面食塩、かん水、少量の油をつけて手で延ばして作る
②切面日本の手打ちうどんと同じ作り方で、中国では東北地方で作られています。
その他に刀削面も同類か? 面片はちぎるので別物かも知れません。
③押し出し面機械で押し出して作る面。市販品はこれがほとんどである。
④河粉 情報不足
   

面条の種類
拉面(la mian)
「拉」とは引き伸ばすとか引っ張ると言う意味がありますが、「拉面」は引っ張って伸ばした麺の事です。よく熟成された小麦粉生地は「ねかし→延ばし」を繰り返すと小さく伸ばしても切れなくなります。中国ではこの手延べ麺を「拉面」といっていますが、日本のラーメンはこの言葉から来たと言われています。1本が2本になり4本・・・倍々に増えていく、中国で最も細い面は13回引っ張って16384本になる麺があるそうです。

刀削面
(dao xiaomian)
刀削面は大根を大きくしたような面の塊を、三日月形の包丁で薄切りしながら湯を入れた大鍋の中に落とし込みます。間単に切っていますが、サイズはピッタリ同じになっています。形としてはきしめんか団子汁のだんごみたいな平たい面になっています。中国の面はコシがありませんが、刀削面はコシがあってなかなか美味いです。

面片(mian pian)
正式には面条の部類に入りませんが、こんな面もあるという事であえて説明します。まだ情報不足ですが、蘭州拉面にはなくて新疆拉面だけで見るので、たぶん新疆の面料理だと思います。棒状に伸ばした材料を2cm幅に平たくし、指でちぎって作ります。コシは刀削面と同じようにありますが、ツルツル感がないのでやや不満が残ります。

「面」という字を使った食べ物(中国語辞書による)
 面包 
面包圏 
面茶 
面坊   
面片  
面肥  
面粉 
面糊 
面筋 
儿 
面盆  
面食
面湯 
面条  
面団 
面杖  

mian bao   
mian bao quan
mian cha  
mian fang   
mian pian  
mian fei     
mian fen   
mian hu    
mian jin   
mian mar   
mian pen   
mian shi
mian tang  
mian tiao   
mian tuan  
mian zhang  
パン
ドーナツ
キビの粉をのり状に煮た食べ物
製粉屋
四角の棒状にした塊をスライスした面
パン用イースト
小麦粉
小麦粉で作った糊
グルテン *意味を考えるとなるほどです
麺類にのせる具
小麦粉をこねるボウル
小麦粉で作った食品の総称
麺類の入った汁物 かけそば
日本で言う麺類の事
練り粉 練って団子状にしたもの
こね棒
とりあえず代表的な名前を紹介しましたが、これから見ても「面」は小麦粉だけでなく粉を使った材料・料理の事がわかります。”面”が先に来ると材料名とか道具名が多いような気がします。
 

「面」逆引き
白面  
黒面 
杯面
拌面  
長寿面
炒面   
担担面 
刀削面 
豆面  
発面  
方便面
翡翠面
挂面  
拉面 
老面  
涼面  
切面  
湯面 
 
bai mian       
hei mian      
bei mian
ban mian       
chang shou mian
chao mian      
dandan mian     
dao xiao mian    
dou mian       
fa mian 
fang bian mian   
feicui mian     
gua mian      
la mian       
rao mian      
liao mian      
qie mian      
tang mian
上等な小麦粉
粗製の小麦粉
カップラーメン
調味料や具を加えてまぜた麺 ややスパゲッティみたいになります
誕生日を祝って食べる麺類(どっちか言うと年寄りの長寿祝いです)
油で炒めた麺類 日本でいう焼そば 焼うどんです
肉そぼろ入り麺 昔 担子(danzi)担いで売り歩いていた事から命名
山西料理 包丁で削って作る麺 日本のだんご汁に似ている
豆粉
発酵して膨らんだ小麦粉
インスタントラーメン
ほうれんそうの練り汁で緑に色付けした麺
乾めん 麺棒に掛けて乾燥する麺 
延ばして作る麺 これが一般的なラーメン
こねた小麦粉を少し残して、次に作る時の発酵の種にするもの
冷やしそば 涼拌面とも言う
切り麺 日本のうどんや蕎麦の作り方と同じ
汁そば ふつうのラーメン 
”面”が後につくと一般にいう麺の名前かと思いましたが、一部材料名とかがあるようです。 但し、辞書から引いただけなので、どのくらい正しいかはわかりません。知り合いの中国人に確認したけど知らない名前が多かったですね。
 
インスタントラーメン(方便面)

 ラーメンの本場中国と言っても”インスタントラーメン”のルーツは日本です。日清食品の安藤百福会長が1958年(昭和33年)に開発したのが始まりです。詳しくは”魔法のラーメン開発物語”で紹介されていますが、朝の連続ドラマ”てるてる家族”にも出ていました。
 中国語では「方便面」といいます。方便(fangbian)とは「便利のいい」という意味でコンビニも「方便商店」という名前が使われており、思わずなるほどと唸ります。

中国のホームページ情報
2004年3月12日 インスタントラーメン、消費量1人当たり21個

 大型スーパーに行くと、必ずといってもいいほど買い物カゴにはインスタントラーメン類が入っているほどラーメン好きな中国人。夜行列車に乗っても、旅の友はカップラーメンといっても差支えがないほど、ラーメンをすすっている。3月10日に上海で開かれた第4回世界ラーメンサミットでは、全世界で652.5億食消費されたインスタントラーメンのうち、277億食は中国が消費し、1人あたりの年間消費量は21食というデーターが発表された。今回の会議には日本からはラーメンの発明者で日清食品の創業者、安藤百福氏が94歳という高齢にも関わらず参加なされ、公演された。 


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