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第10回
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3月7日(火) |
「リュントー」 コペンハーゲン駅 |
「リュントー」 座席指定券 |
コペンハーゲン8時10分発の「リュントー(Lyntog)」に乗る。これは DSB の誇るディーゼル急行列車で、平均時速約100kmでデンマークの平原を突っ走る。ただし、全席指定で、予約料も他に比べて10DKK高い25DKK(約500円)。それなりの金は取るというわけか。
座席は全て開放式。狭いコンパートメントで知らない人と顔を突き合わせてるよりずっといい。足も伸ばせるし。今日はこの列車でオーデンセ(Odense)という所へ行こうと思っている。
約1時間でコルセール(Korsor)着。ここで10分前にコペンハーゲンを発車したインターシティー(機関車牽引の客車列車)と一緒にフェリーの中へ。コペンハーゲンのあるシェラン島(Sjaelland)とオーデンセのあるフュン島(Fyn)との間のストア海峡(Store Baelt)を渡るためだ。客車航送は島国デンマークにとって必要不可欠、日常茶飯事、朝メシ前のことなのである。
出航すると、列車を降りて船の中へ。見ると、8両編成の「リュントー」は半分に分割されて載っていた。船内は清潔そのもの。食堂や売店(というよりスーパー)もある。ボクは窓際のソファーでのんびり。
約1時間の航海で対岸のニューボー(Nyborg)に。ここからまた線路の上を走って10時47分、オーデンセに着いた。
アンデルセン記念館付近 |
ここには鉄道博物館がある。でも冬季休業。じゃあなんでここへ来たかっていうと、ここはアンデルセンの生まれた所なのだ。ということで、まずは彼の生家と言われるアンデルセン記念館へ。街全体が公園の中にあるような所だ。繁華街は賑やかで背の高い建物もあるけど、記念館の辺りは、石畳の道沿いに小さな中世の建物が並ぶ保存区域になっている。
記念館では、彼の誕生から国葬によって行われた葬儀まで、年代順に説明されている。各国語に翻訳された絵本が並んでたり。その他、手紙、原稿などなど…。
スーパーの中のカフェテリアで昼飯(と言うとご飯みたいだが、とーぜんパン)の後、今度はアンデルセンの幼年時代の家へ。ここは近代的な建物に囲まれていて、その古さがかえって目立っている。中を見て、少なくとも金持ちじゃなかったことはわかった。
コペンハーゲンへの帰りにニューボーで途中下車。1170年に建てられたっていうニューボー城を見る。中は武器だとか生活用品なんかが並ぶ博物館になっている。ここの受け付けのオッチャン、ボクに向かってドイツ人か、だって! なんで?
3月8日(水) |
今日はビール工場へ行ってタダ酒を飲もうと思う。デンマークにはカールスベア(Carlsberg)とツボー(Tuborg)という2大銘柄があり、どちらの工場も見学できる。コペンハーゲン初日にツボーを飲んだから、今日はカールスベアに決定。
カールスベアへはS電という国電で行く。いちおう路線図もあるし、降りる駅もわかってるから、とりあえず来た電車に乗る。ところがこの電車、目的の駅を通過してくれたのだ。引き返す電車もまた通過。結局元に戻って来た。別の系統番号の電車で、やっと工場への下車駅に着いた。
工場の入り口ででっかい象の石像が出迎えてくれた。ところが、次の見学ツアーは11時までないんだって。あと1時間以上ある。
「バイバイ、早く出て行ってちょうだい。」
みたいな口調で追い出された。今後、いっさいカールスベアのビールは飲まないことに決める(実際にはその後何度か飲んだのだが)。
再び市内に戻り、ロイヤル・コペンハーゲンの店を見たりした後、今度はバスでツボーの工場へ。ここは特大のビール瓶がお出迎え。一緒に見学するのは外国人らしい若い男のグループと、デンマーク人らしい親子、案内役は英語ペラペラのひげのオッチャン。男ばっか。
工程ごとに英語とデンマーク語で細かく説明してくれている、らしい。まあ適当にうなずき、もっともらしく笑ったりする。やっぱり瓶詰めするところがいちばんおもしろかったな。けっこうラインから落ちて割れてる瓶が多かったりする。
さて、お待ちかねの試飲会。アルコール度の低い順に3種類飲ませてもらった。中でもうまかったのがヒヨコ(ニワトリ?)の絵のラベルの、いちばんアルコール度の高いやつ。それを飲みながらの楽しい会話、のはずが、英語もデンマーク語も話せないボクは完全に無視されてる。どうも居心地が悪いから、とっとと席を立つと、ここでも、
「じゃあね、バイバイ。」
って感じで送られた。まあ、自分の無学さが悪いのだが。
市庁舎前 蝋人形博物館もこの近く |
市内に戻り、蝋人形博物館へ。ここには世界中の有名人が集まってる。が、ぜんぜん似てない! ダイアナ妃なんか10歳はふけて見える。その中でこの人だけは似てる。ヒットラー、ムッソリーニと並んでる唯一の日本人、カイザー・ヒロヒトである。
その晩、北欧最後の晩餐をコペンハーゲン駅構内のDSBカフェテリアでとった。メニューはヒラメのフライ。1人は寂しい。カゼ気味だし。
(つづく)
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