このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

■ 鉄道紀行 ■

第2回


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2月19日(日)
 あー、眠い。時差のせいか、あんまりよく眠れなかったな。今、午前6時半。日本時間で午後2時半である。朝食をホテルでとる。パン、ハム、コーヒーなどを自由に取れるようになっている。
ユーレイル・ユースパス
 そして、駅へ。まずはユーレイル・パスに日付を入れてもらう。ボクが持っているのは「ユーレイル・ユースパス」といって、西ヨーロッパ中(イギリスを除き、ハンガリーを含む)の鉄道の2等車に1ヶ月間乗り放題なのだ。日本円で47,600円である。
 今日はノルウェーのオスロまで一気に行く。乗るのは午前9時47分発の462列車。こっちの列車は空いているというウワサを信じ、発車5分くらい前に同宿の2人と別れてホームへ行った。横に「 DSB 」(デンマーク国鉄)と書かれた赤い客車が止まっている。これがオスロ行きだ。ちょっとJRの50系客車に似ている。
 それにしても混んでる! 誰だ、空いてるなんてウソついたのは! なんとか座ることはできたけど、機関車も編成も確認できなかった。そして定刻通り発車。ボクが座っているのは6人用コンパートメントの中である。日本人のボクには、見ず知らずの他人と同室というのは何となく気まずい。でも、座り心地はなかなかいい。高さ調節可能のヘッドレストもいい配慮だし、向かいの女性もきれいだ。
 景色は都市近郊の住宅街という感じ。どうってこともない。でも、この先にはひとつの楽しみがある。それは客車航送だ。乗客を乗せたまま、列車がフェリーに載って対岸まで海を渡るのだ。午前10時20分、デンマーク東端のヘルシンオアに着くと、後ろ4両がフェリーに積み込まれる。同じ甲板には乗用車も載ってくる。
 ここで税関職員登場。対岸のヘルシンボリはスウェーデンなので、所要時間20分ながら国際航路なのだ。女性1人、男性2人で、その女性がいちばん偉いようだ。彼女とボクとの会話。
税関「ペラペラペラ…。」
ボク「え?」
税関「ペラペラ…。Do you speak English?」
ボク「えー、Just a little(ほんの少し)。」
税関「Just a little... (しばしの間。そしてゆっくりと)We're the customs officers. Don't you have anything to declare?(税関です。申告する物はないですか?)」
ボク「(ないと言うつもりで)Yes.」
税関「No?(ないんでしょう?)」
ボク「Ye...,あ、そうか、No.」
ま、ボクの英会話力なんて、しょせんこの程度さ。
 さて、10時40分、ヘルシンボリ着。北欧2カ国目のスウェーデンに入った。って言っても、今日は通過するだけ。ここでスウェーデン国鉄( SJ )の車両が後ろに連結される。と同時に大勢の乗客が乗ってきた。その中の1人の女の子がボクに切符を突き付け、なんか言ってる。ボクの座っている席は彼女の指定席らしい。仕方なく席を立つ。ヨーロッパでは指定席車両と自由席車両の区別がなく、どこが予約済みの席なのかよくわからん。
 それにしても席がない! 隣の SJ の車両も同じである。しょうがない、空くまで立ってるか。どうせみんなすぐ降りるんだろう。そして、立ってること3時間、14時15分着のヨーテボリでどっと降りて、やっと座ることができた。もうぐったり。これからは絶対予約してから乗ってやる!  DSB よりやや狭い SJ の8人用コンパートメントの座席で、ボクはそう誓ったのだった。

2月20日(月)
 また眠れなかった。眠い目をこすりながら朝食をとる。午前7時。早くも北欧3カ国目、ノルウェーの首都オスロの空はまだ暗い。
 このホテル・フォーニクスは240クローネ(約4,800円)も取る割に部屋は狭いし、朝食も昨日のコペンハーゲンの安宿と同じだ。と言いつつ、今晩もここに泊まるつもり。
オスロ・カード
 今日は一日中このオスロを見て周ろうと思う。まずは駅へ行ってオスロ・カードを買う。市電、地下鉄、バスに1日乗り放題で75クローネ。使わにゃ損ソン、というわけで、精力的に動き回った。
 まずは市電に。2両1組のきれいな車両である。これをフログネル公園前で降りる。ここはオスロ出身のビーゲランという彫刻家の作品だけで構成されていて、市民の憩いの場となっている。しかし、芸術に疎いボクには全部おんなじに見える。はっきり言ってつまらん。
大聖堂と市電フログネル公園
 さて、次は地下鉄である。これがまた変わっている。たった1両で、しかも地上に出ると何を思ったのか、山の上へ向かってどんどん登って行ってしまうのだ。しかもバスのようにボタンを押さないと降りたい駅で止まってくれない。この電車に乗っていて、突然、ノルウェー人を丸の内線に乗せてあげたい、と思った。
 この地下鉄が上って行った山の上はホルメンコーレンといって、スキーのジャンプ台がある。1952年冬季オリンピックの舞台となった所で、ジャンプ台の上からオスロの町を見下ろすことができる。
スターブ教会 民族博物館にて

 その後、バイキング船が展示されている「コンチキ号博物館」や、屋外にかつてのノルウェーの村を再現した「民族博物館」へ行ったり、a-haの「Take on me」(のメロディー)を口ずさみながら中心街を歩いたりして、夕方にホテルに戻った。今日の夕食は部屋でパンにハムをはさんで食べる。昨日もそうだった。むなしい・・・。

(つづく)

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