このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください


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河辺寺遺跡
2005年1月から河辺寺遺跡の発掘が始まりました。徳島県吉野川市鴨島町敷地宮の北にあります。
 1月〜3月という最も寒い時期でしたが、県の担当者はもとより発掘に関わった多くの人たちが、寒さもいとわず熱心に仕事に従事していました。
その様子を散歩がてら、毎日のように見学に行っていましたが、成果も挙げ一応終了しました。遥か昔にこの地に住んでいた人たちに思いを馳せながら、ロマンを肌で感じ、感傷に浸りながら、担当者からの発掘に関する成果や説明を興味深く聞かせて頂きました。
このような先人の残した貴重な遺跡は大切にして、次世代の人たちに語り継ぐ事も大切なのではと思います。


河辺寺跡の発掘調査 徳島県教育委員会埋蔵文化センター発表(概要)
河辺寺跡の位置
  河辺寺跡は吉野川中流域の南岸に位置し、吉野川市鴨島町敷地宮ノ北にあります。
周辺の遺跡
 河辺寺跡の西側の国立療養所の周辺の山に西の宮古墳、吐気山古墳群があります。西麻植壇ノ原には縄文時代の集落跡の東禅寺遺跡があります。また川島城跡周辺から銅鐸が出土しています。
調査の成果
 今回の発掘調査で北側にあらたに礎石(建物の基礎となる石)の抜き取った跡を見つけ、東西5間(8,8m)、南北4間(7,3m)の規模をもった建物であったことがわかりました。建物の中央部分には礎石や礎石の抜きとった跡が見られなかったため、この建物は中央に仏像をおいた金堂であったと考えられます。また建物の東西から石が並んでいる状態で出土しました。これは建物の周りに置かれた石であると考えられ、建物の範囲が東西約14mであることがわかりました。(南北は12,6mであったと考えられます) ゴミ捨て穴などから瓦や土器が約6000点出土しています。出土した瓦の特徴から、このお寺は奈良時代(約1300年前〜1200年前)に建てられたものと考えられます。 周辺地域も調査しましたが、お寺に関する建物遺構はみつかりませんでした。お寺に関する建物は金堂1つしかなかったと考えられます。
まとめ
 徳島県内にある古代寺院はおよそ40ヶ所あるといわれています。その中で、建物の配置がある程度分かっているのは、郡里廃寺(美馬市)国分尼寺、石井廃寺(石井町)の3ヶ所しかありません。今回の発掘調査で河辺寺跡の主な建物や周りの様子を知ることが出来ました。河辺寺跡は古代阿波国での仏教の広まり方を知る上で貴重なお寺であると考えられます。


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