このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
俳 書
『あつめ句』
貞亨4年(1687年)秋、芭蕉の自選句集。芭蕉43歳の時である。
同年10月25日、芭蕉は江戸を立って
「笈の小文」
の旅に出る。
おきよおきよわか友にせむぬるこてふ
里梅
さとのこよ梅おりのこせうしのむち
ふる池や蛙とひこむ水のおと
はらなかやものにもつかす啼ひはり
永き日もさえつりたらぬひはり哉
華
花さきて七日つるみるふもと哉
はなのくもかねはうへのかあさくさか
ほとゝきすなくなくとふそいそかはし
ほとゝきすまねくか麦の村お花
さみたれに鳰のうき巣を見にゆかむ
門人
杉風子
夏の料とてかたひらを調し送りけるに
いてや我よきぬのきたりせみころも
酔て寝むなてしこ咲る石の上
隣菴の僧
宗波
たひにおもむかれけるを
ふるすたゝあはれなるへき隣かな
くさの戸ほそに住みわひてあき風のかなしけなるゆふくれ友達のかたへいひつかはし侍る
蓑虫の音を聞にこよくさのいほ
月
雲おりおりひとをやすめる月みかな
名月や池をめくりてよもすから
いさゝかなる処にたひたちてふねのうちに一夜を明して暁の空篷
(とま)
よりかしら指出て
あけゆくや二十七夜も三かの月
もの一我よはかろきひさこ哉
我がくさのとのはつゆき見むとよ所に有ても空たにくもり侍れはいそきかへることあまたゝひなりけるに師走中の八日はしめて雪降けるよろこひ
はつゆきや幸庵にまかりある
月雪とのさはりけらし年の暮
貞享丁卯秋 芭蕉翁桃青
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