このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
俳 人
堀麦水
通称池田屋平三郎。別号樗庵。伊勢派の
乙由
の子麦浪に師事して麦水の号を与えられた。
享保3年(1718年)、金沢の竪町に生まれる。
延享3年(1746年)6月、中川麦浪は堀麦水に迎えられて、金沢に入る。
宝暦5年(1755年)秋、麥水連中は
秋日塚
を建立。
あかあかと日はつれなくも秋の風
宝暦6年(1756年)春、
竹阿
は門人呉江を伴って北国路を歴遊、金沢の麦水を訪れる。麦水に
二柳
への手紙を託された。
宝暦12年(1762年)3月、
千代尼
は吉崎御坊参詣の途上、麦水を訪ねている。
宝暦13年(1763年)7月、『早稲の道』(知十撰)。麦水序。
明和2年(1765年)、魚津の知二斉倚彦は
「小貝塚」
を建立。堀麦水の筆。
明和3年(1766年)秋、竹阿は阿波の徳島で二柳に会い、その責を果たす。
○対三四坊辞
十年の昔、賀の金城に旅寐する折から、犀川の麦水曰、「爰に三四坊といへる者あり。風雲にまかせて今其止る所をしらす。杖を曳の先にまみへは、故郷に母あり、頓に旧里に帰らん事をすゝめくれよ」と切に約せしに、予も東西に漂泊して有しか、其所をしらす。ことし不知火の帰さ鳴戸一見せんと、阿波の徳嶌に来りてまみゆる事を得て、往事を盡すに其事果しぬれと語り合ふて、互の無事をよろこふ。
十年の噺に足らぬ秋の日そ
『其日くさ』(竹阿編)
安永5年(1776年)、『新虚栗』編。
安永6年(1777年)、『新虚栗』刊。
天明3年(1783年)、66歳で没。
麦水の句
名月や折て見たれは只の枝
『鹿島詣』
來る秋も落馬はあらし女郎花
『つくば紀行』
日最中の花靜也虻の聲
『窓の春』
枯野ゆく人はちいさし初しくれ
『七時雨』
蝉の行すへの低さやけさの秋
『松しま道の記』
日最中の花静也虻の声
『
俳諧
百一集』
鳥啼や藪は菜種の走り咲
『
蕉門
むかし語』
先へ行く馬は艸喰ふ霞哉
『
俳諧
玩世松陰』(五編)
夜はついに明て只居る蛙かな
『湖白庵集』
蛙啼く流れよどむや馬の沓
『おもかげ集』
杜宇穂麦が岡の風はやみ
『
俳諧
有の儘』
朧夜の二階灯光る柳中
『古河のわたり集』
松一里帰路暑き日を荷ふ哉
『あけ烏』
何見ると問人多し春の月
『
俳諧
菊の露』
うら垣やしらざれ李
(すもも)
日や倦
(うめ)
る
『続明烏』
人は四十一葉や我をはつかしむ
『栗庵句集』
桃実生子と植なとし夕への日
『せりのね』
よはよはと日の行届く枯野かな
『古今句集』
白魚やあら浪かゝるものをなす
『
俳諧
百家仙』
此牡丹白くワびしきは我友歟
『続雪まろげ』
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