ナズマド・ナカノママ
このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

  八丈島の見所スポット林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
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 [1] 大賀郷エリア
 [2]大賀郷エリアの見所スポット
     1 八重根港
     2 メットウ井戸
     3 大坂トンネルの展望
     4 横間ヶ浦
     5 大里の玉石垣
     6 屋けんヶ浜
     7 長崎
     8 大潟浦
     9 宇喜多秀家公と豪姫の象
     10 南原千畳敷
     11 舟付鼻
     12 ナズマド・ナカノママ
     13 永郷文教場跡の碑
     14 八丈島歴史民俗資料館
     15 宇喜多秀家住居跡
     16 大賀郷「大里」地区

ダイビングおよび釣りの聖地となるナズマドへの入口

三根地区の大越鼻灯台にほど近い大賀郷の永郷地区にあるナズマド。八丈島を代表する人気のダイビングスポットらしく、八丈島を紹介するダイビング系サイトには必ずナズマドの名が出てきます。そしてそれに勝るとも劣らずで釣り系サイトでも八丈島の釣りスポットとして必ず紹介されています。

ナズマド・・・ダイビングや釣りをたしなまぬライダーには初耳な地名に過ぎませんが、地名由来のまったく不明な珍奇なる名称に惹かれて訪れてみました。八丈島を1周する都215号線沿いに海岸への入口があり、案内板が立っています。






珍奇な地名に惹かれて訪れてみるのも面白いです

都道からの入口に立っているナズマド、ナカノママと記された釣り場案内板。ナズマドは地理院地図にも記載されている岩礁ですが、同時に記されていたナカノママはこのとき初めて知りました。やはり地名由来がさっぱりでしたが、ナズマドのすぐそばにナカノママという岩礁もあるということでしょう。






ダイビングウエットスーツの男女がいっぱいでした

鋪装されていますが、おでこを地面にこすりつけるような、鬼坂の細い道を降りていくとナズマドの岩礁に面した広場のような場所に行き着きました。しかしそこにはダイビング客満載で乗り付けたバンが8台も! ナズマドが八丈島におけるダイビングの聖地であることにウソ偽りはないようで、その聖地へとオフバイクで乗り付ける闖入者のようなカタチになってしまったのには苦笑するしかありませんでした。

しかし、ここはダイビング業者の専用地でもないので、一般車が立ち入っても全然問題はありません。バイクであれば問題はないですが、駐車スペースはあるものの、シーズン中は一日中ダイビング業者のバンで占領されている可能性が高そうです。

なお、ここは釣りの絶好ポイントでもあるらしく、最近ではダイビング客と釣り師との間でトラブルが発生しがちであるとか・・・。 訪れた時には釣り客の姿はありませんでしたが、ここはダイビングと釣りの聖地の重なる八丈島のエルサレムか!






ナズマドの正面には八丈小島が見えています

大量のウエットスーツ軍団はさておいてナズマドの磯を散策しますが、正面には八丈小島が見えていました。海に接した岩礁に波が打ち寄せては軽く砕け、磯の小さな潮溜まりに毎水が出入りしています。

強風時や荒天時には打ち寄せる荒波で水際に近づけないと思いますが、この時の海の様子は穏やかでした。海風が運ぶ漂う磯の香りがぷんぷんでした。






右手には大越鼻灯台も確認できました

右手を眺めてみると、海中にこぼれ落ちんばかりに押し寄せた溶岩塊の先にクソガ根が見えています。 クソガ根・・・なんとも酷い名称ですが、これも鼻と同様に海に突き出た小さな岬のようなもの。地理院地図でナズマド付近を眺めて気になっていたのですが、眺め的には付近にある無数の鼻と変わりはありません。

そしてクソガ根の先に大越鼻灯台のある大越ヶ鼻が見えています。画像ではクソガ根と大越ヶ鼻の岬が重なって見えているので確認しにくいですが、八丈富士の山頂へと続く右手の斜面上に小さく灯台の建物が確認できますね。

ちなみにすぐ目の前の地点は地理院地図によれば今崎という海に突き出た鼻らしいですが、近過ぎて逆によく分かりませんでした。






かつて製塩が行われていた火の潟遺跡があるのは前方の岬辺りか

今度はナズマドから左方向を眺めてみます。ごつごつな玄武岩の溶岩塊で形成された断崖絶壁が海岸線に沿ってずっと続いていました。景色をただ眺めているだけではさっぱりですが、このような時に国土地理院の2万5千分1の地図が役に立ちます。

具体的にどの地点なのかは分かりませんでしたが、案内板に記載されているナカノママは、この断崖を進んだ先にある磯のことらしいです。さらに遠方に見えている海に突き出た岬の辺りが、平安時代に火の潟(ひのがた)人が製塩作業を行っていた火の潟遺跡の発掘された火潟の海岸でしょうか。

しかし、なんといってもここで素晴らしいのは、海の眺めではなくて海に面した断崖絶壁の連なりでしょう。この絶壁な壁こそが八丈島の噴火で流れ出た溶岩の層であり、間近に目にする迫力が凄まじかったです。思わず立ちすくんでしまいますが、それだけでもここは訪れる価値のある場所だと思います。






ナズマドの駐車スペースはこんな感じでした

ナズマドの磯野海岸から振り返るとこんな感じです。バンの止められた駐車スペースから波打ち際まで小舟を海に下ろせる簡易鋪装が施されていました。昔はここから漁でもしていたのでしょうか?

駐車スペースの先に白い小屋が見えていますが、ダイビング業者が建てた休憩小屋のようなものだったと思います。ベンチがありましたが、勝手に座ったら叱られるかな?






ガラガラと押し出されて崩れてきそうな溶岩の壁!

「どひゃぁーーッ!」と叫んでしまいたくなるほどの大量の溶岩がこんなに! 海に面したナズマドの駐車スペースのすぐ脇には八丈富士の噴火で海まで押し寄せた溶岩の壁が迫っています。風化もせず、まるで昨日にでも押し寄せたかのような生々しさが尋常ではなくて、台地の秘めたパワーの凄まじさに圧倒されました。

ちなみに南原千畳敷も海と接する端の部分で断崖になっていますが、残念ながらこのアングルと同じようには近づけません。八丈富士の噴火のパワーをより実感したければ、やはりナズマドを訪れるしかないと思います。






八丈富士の斜面を覆い尽くす溶岩

その一方で、今にも土砂崩れを引き起こしそうな溶岩と、その丈夫に堆積した土の斜面もありました。おそらくここは過去に何度も崩れているのでしょう。

その傷跡が幾重にも刻まれています。よじ登ってやろうにも、とてもじゃないですが取り付くシマのないほどに過激過ぎる斜面でした。






千畳敷には案内板も掲げられていました

八丈富士の斜面を流れて何層にも堆積した溶岩は波風に洗われて複雑な形状を見せています。そこに斜面の表土が混ざり合ってズルズルな状態でした。海に接した波打ち際の場所なのに、やけに火山を意識させる光景で溢れています。

気が澄むまで歩き回って眼に焼き付けますが、火山の山、八丈富士の山頂を極める方は多いですが、ならば最も山裾のこの場所も同時に極めておきたいものです。

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