このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

芭蕉の句


観音のいらかみやりつ花の雲

出典は 『末若葉』 (其角編)。

貞亨3年(1686年)、芭蕉43歳の時の句。

芭蕉が病気で深川の 芭蕉庵 に寝ていた時に作ったという。

観音のいらかみやりつ花の雲

かねは上野か浅艸か 」と聞えし前の年の春吟也。尤(もつとも)病起の眺望成べし。一聯二句の格也。句ヲ呼テ句とす。

『末若葉』(其角編)

元禄10年(1697年)、『末若葉』刊。其角自序。

毘沙門堂の花盛、四天王の榮花もこれにはいかでまさるべき。うへなる黒谷、下河原、むかし遍昭僧正のうき世をいとひし花頂山、わしのみやまの花の色、枯にし鶴の林まで、思ひられてあはれ也。

観音の甍見やりつはなの雲

俳諧一葉集』の前書きは謡曲「西行桜」の一節。

   観音のいらか見やりつはなの雲

 此句の事、或集にキ角云「「鐘は上野か浅草か」と聞べし。前のとしの吟也。尤病起の眺望成べし。一聯二句の格也。句を呼て句とす」とあり。さもあるべし。

『三冊子』 (土芳著)

山形県米沢市の 笹野観音

群馬県みどり市の 世音寺 、高崎市の 清水寺 、富岡市の 観音堂

埼玉県本庄市の 成身院 、小川町の 大聖寺

東京都台東区の 浅草寺

千葉県匝瑳市 正福寺 、香取市の 清水寺 、成田市の 龍正院

 芝山町の 芝山仁王尊 、印旛村の 多聞寺

神奈川県伊勢原市の 観音寺跡 、横浜市の 東福寺

山梨県甲州市大和町の 国道20号沿い 、上野原市の 悉聖寺観音堂

長野県佐久市の 明泉寺 、上田市の 北向観音堂 、長野市の 常恩寺

 茅野市の 白岩観音堂 、飯田市の 光明寺

富山県高岡市の 永安寺

岐阜県山県市の 甘南美寺

大阪府大東市の 野崎観音

香川県さぬき市の 長尾寺 に新旧2基

福岡県朝倉市の 鳴渡観音 、久留米市の 観音寺

長崎県諫早市の 市杵島神社

大分県豊後高田市の 河野邸 に句碑がある。

笹野観音の句碑



世音寺の句碑
   
清水寺の句碑
   
観音堂の句碑

   

   


大聖寺の句碑
   
浅草寺の句碑

   


正福寺の句碑
   
清水寺の句碑

   


国道20号沿いの句碑
   
悉聖寺観音堂の句碑

   


芝山仁王尊の句碑
   
多聞寺の句碑

   


北向観音堂の句碑



明泉寺の芭蕉句碑
   
常恩寺の句碑
   
白岩観音堂の句碑

   

   


永安寺の句碑



野崎観音の句碑



『蕉翁句集』 (土芳編)には「観音のいらか見やりつ花雲り」とある。

栃木県芳賀町の 常珍寺 に句碑がある。

芭蕉の句 に戻る


このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください