このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください





蘇州号
☆蘇州号
 
多様なキャビン構成と展望風呂が人気の豪華フェリー。
エントランスには“一級文明客船”のプレートが輝く!
 
『蘇州号』は1992年に建造され、『鑑真号』に続く第二の上海航路船として1993年にデビューした国際フェリーです。就航当初は大阪/横浜−上海航路で運行され、一週おきに大阪発着と横浜発着の便が設定されてましたが、現在は横浜発着便が廃止され、大阪発着便のみとなってます。
 
就航当時に聞いた話ですが、この船はもともと『魯迅』という船名になる予定だったそうです。しかし、なぜか中国の担当当局がこの船名を許可せず、『蘇州』という船名に変更されました。しかし、中国国内に『蘇州』という名前の船が存在し、2隻の同名船を登録できないということで船名の後に“号”を付け、『蘇州号』という船名になったという話を聞いたことがあります。その名残なのか、船内の案内図の船名は『蘇州』となっており、なかなか興味をそそられます。
 
この『蘇州号』で特筆されるのは、やはりシティーホテル並みの豪華さを誇る船内設備でしょう!
シックな色使いで高級感あふれる上等級船室、明るい雰囲気でまとめられたカフェテリア・レストランと落ち着いた雰囲気のスペシャル・レストラン、そして、大海原を眺めながらくつろぐことができる展望風呂など、客室にも公室にも素敵な設備がラインナップされています。
 
船体のデザインは曲線的なラインでまとめられた優しいスタイルですが、船尾の大きなファンネルがちょっとバランスを崩しているかも・・・。
同じ上海航路の『新鑑真号』と比べると少しスマートさに欠けますが、純白の美しい船体が大海原に映えます。
 
写真は大阪港コスモスクエアから撮影しました。
大阪港内を航行する『蘇州号』です。上海からの到着便です。
この日は雲ひとつ無い最高の天気!
快晴、順光のコンディションでやっと理想の写真が撮れました。
たぶん、もう写真の変更は無いと思います(笑)。たぶん…。
 
 
 
特等A船室
☆乗船Impresson
 
乗船したのは特等A船室でした。
広々としたアウトサイドキャビンにツインベッドが並び、窓際に置かれたソファーに座れば、大きな窓から外の景色を楽しむことができます。室内にはテレビやクローゼットが設置され、シャワー、バス、トイレも付いていて、室内設備はシティーホテルのツインルームそのもの!快適な空間で船旅を楽しむことができました。
 
特等B船室は、特等A船室に2段ベッドを2組配置した4人部屋で、特等C船室はシングルベッドを配置した1人部屋です。ただし、特等B船室と特等C船室はシャワーとトイレのみとなり、バスタブは付いてません。
 
非常にグレードの高い上等級船室ですが、ただ一つ・・・。シングルルームの特等C船室が窓の無いインサイドルームとなっているのが残念です。
デッキプランを見る限り仕方ないのかも知れませんが、特等船室で窓が無いというのは、正直言ってしまうとちょっとつらいものがあるように思います。部屋のグレードが高いだけに、これだけが残念です・・・。
 
1等船室は2段ベッドが2組配置された4人部屋、2等寝台(2等A)は2段ベッドが4組配置された8人部屋で、いずれもアウトサイドキャビンです。2等船室(2等B)はカーペット敷きの洋室と畳敷きの和室があり、前者と後者で男女別の大部屋になってます。
 
 
カフェテリア レストラン
公室関係では、まずはレストラン。
本場の中華料理を安く食べられるのはもちろん、和食や洋食などをはじめ、丼ものなども充実!次の食事時間までの間にメニューを見ながら「あれも〜、これも〜」と、おかずを選ぶのがとても楽しみでした(笑)。
中華はもちろんのこと、カレーライスもおいしかったです!
 
『蘇州号』はカフェテリアとスペシャルの2つのレストランを備えていますが、レストランとして使用されているのはカフェテリア・レストランのみで、スペシャル・レストランは夜に営業するバーとしてのみ使用されてました。
 
上海からの帰路、中国からの研修生の団体と一緒になりましたが、カフェテリア・レストランのみを使用して、時間交代制で一般船客と研修生の団体客を分けて案内していました。研修生団体も利用することがある船ならば、そのような時にはこの2つのレストランを活用し、一般船客と研修生の団体客を分けて案内するなど、活用する方法はいろいろあると思うのですが・・・。
せっかく素敵な設備があるのに、うまく活用されてなく残念でした。
 
ただ、少ない人数でいくつもの役割を分担してサービスにあたっているキャビンクルーのことを思うと、これはちょっと酷な注文かもしれませんね・・・。
 
 
オープンデッキ(ブリッジデッキ)
オープンデッキは、上等級船室があるAデッキとブリッジデッキにあります。『新鑑真号』のように船体を周回する構造にはなってませんが、最上階のブリッジデッキから気持ちよく景色を見渡すことができます。また、ブリッジの直後まで行くことができるので、ブリッジの中で操船するオフィサーの様子を少しだけですが伺い見ることができ、マニア的にはちょっと楽しかったりします。
 
この船で最高のおすすめポイントは、やっぱり展望風呂でしょう!
中国航路の船では唯一となる展望風呂で、これをポイントに『蘇州号』を選んでいる方もおられると思います。日本の国内線フェリーのものと比べると小さいですが、大海原を眺めながら湯船に浸かり、旅の疲れを癒すことができます。ゆったりとくつろぐことができるとてもうれしい設備です。
 
 
☆Ship Data
・総トン数:14,410㌧
・全長:154.7m ・全幅:22.0m ・喫水:6.015m
・主機関:8,400馬力×2基
・航海速力:21ノット
・旅客定員:272名 ・貨物積載能力:230TEU
・就航年:1993年 ・船籍:中国(上海)
・横揺れ防止装置:フィンスタビライザー ・離着岸支援装置:バウスラスター

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