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芭蕉ゆかりの俳人

『元禄百人一句』(江水撰)


元禄4年(1691年)、江水編。白桜下 木因 子序。

江水は近江柏原の人。流木堂。

   江戸 季吟

またの年の睦月もいはへ千代の江戸

     言水

蓮池に生れてもとの蛙かな

   美濃  木因

星祭嬉しや桃の苦からず

   同  擧白

根はたゞに蕊よりうへをぼたんかな

   江戸  路通

七草や何をちなみに佛の座

   尾州  越人

二月やまた柿の木は其通り

   江戸 不卜

筏士の裸をやすき相撲(スマヒ)かな

  伊勢女  その

山ふかみそれにうき名よ姫くるみ

   伊丹  鬼貫

蜘の巣はあつきものなり夏木立

      加生

すゝはきや餅の次手になでゝ置

   江戸 一晶

雪月や我人ともに氣にいらず

   江戸  其角

ゆく水や何にとゞまる海苔の味

   伊勢  又玄

若菜摘けふはづかしき手の太り

   江戸  露沾

卯の花や里の見えすく朝朗

   加賀  一笑

杜若石菖ひくゝ見えてよし

   江戸  去來

夕顔や名を落したる花の形

   江戸  嵐雪

草庵と捨てしも秋や花の庵

   大坂 素龍

みやえ(恵)方氷飛ぬく鯉のいを

   大津  尚白

ぬしは誰木綿なだるゝ秋の雨

   美濃  落梧

能因の車おりけむ門の松

     助叟

棹添て置ぬ船なり杜若

   尾張  荷兮

寒月や居合をしへの葭かこひ

   江戸 調和

曉鐘の姿を見する柳かな

   伊勢  團友

うらゝなる物こそ見ゆれ海の底

   美濃  如行

傘かしに出ばや今宵月の雨

   尾張  露川

齒固や伊勢の太夫の鰹ぶし

     秋風

白雨の隈しる蟻のいそぎかな

   越前 洞哉

虫ひとつある甲斐もなき今宵哉

   江戸  素堂

(みかづき)にかならず近き星ひとつ

   出羽  清風

時鳥筧はふとき寐覺かな

   江戸 湖春

梅一重達磨に恥ぬ匂ひ哉

  あふみ 江水

次の夜は唯ひとりゆくすずみ哉

       芭蕉

先たのむ椎の木もあり夏木立

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