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車種別車輌解説

座席車、寝台車、荷物車などのように、カテゴリー毎にまとめてみました。
硬座車(YZ22型客車)
硬座車(YZ22型客車)

☆YZ 硬座車☆
 Ying Zuo Che <普通座席車>
 
中国で最も一般的な座席車で、日本でいうところの普通車です。
車内は通路を挟んで3−2の配置でボックスシートが並び、シートは薄緑色のカバーが貼られた、その名の通り硬い物となっています。
一方、特快や快速等といった優等列車の硬座には、きれいなシートクロスが掛けられていたり、ヘッドレストが付いていたりするものがあります。
 
写真の硬座車(YZ22B型)は、
中国で一番よく見かける、そして一番乗りたくない(笑)?車両。
1995年11月 北京の東便門鉄路橋にて撮影。
 
 

硬座車 車内(YZ22型客車)
硬座車 車内(YZ22型客車)

上記写真の硬座車、YZ22型客車の車内です。
 
筆者の個人的感想ですが・・・。
二人掛けの椅子に座ってみると、何となく日本のJRの車輌のものより狭い感じがします。
 
 

硬座車 車内(YZ25G型客車)
硬座車 車内(YZ25G型客車)

特快の硬座車内。
ヘッドレスト&シートカバー付の豪華版(?)です。
 

硬臥車(YW22B型客車)
硬臥車(YW22B型客車)

☆YW 硬臥車☆
 Ying Wo Che <B寝台車>
 
中国で最も一般的な寝台車で、日本でいうところのB寝台車です。
昔の日本のB寝台と同じ車内レイアウトで、向かい合わせの3段ベッドがまくら木方向に並んでいます。ベッドには薄くて硬いクッションが載せられていて、仕切りのカーテンはありません
 
写真はYW22B型です。
2006年1月 北京の東便門鉄路橋にて撮影。

硬臥車 車内(YW25G型客車)
硬臥車 車内(YW25G型客車)

硬臥車、YW25G型客車の車内です。
 
通路から車内を見たらこんな感じです。
通路には折り畳み式の小型椅子も設置されており、昔の日本の3段式B寝台とよく似てますが、
各寝台の梯子が通路側に並ぶ姿が印象的です。

硬臥車 寝台(YW25G型客車)
硬臥車 寝台(YW25G型客車)

中段と上段の寝台です。
昔の日本の3段式B寝台と違い、カーテンはありません。
 

軟座車(RZ22型客車)
軟座車(RZ22型客車)

☆RZ 軟座車☆
 Ruan Zuo Che <グリーン車>
 
短・中距離列車に連結される特別座席車で、日本でいうところのグリーン車です。
車内には通路を挟んで2−2の配置で、ふかふかのソファーのような、その名の通りのやわらかいボックスシートが並んでいます。ソファースタイルの特別車両といえば、かなり車内のグレードが違いますが(笑)、イギリスの「Inter−City125」やイタリアの客車特急列車の1等車もこのスタイルになっています。でも、中国の軟座車も、硬座とは全く別世界の優雅な雰囲気が味わえる、非常に魅力的な車両です。
日本では、座席の広さとリクライニング角が特別車両のステイタスとなっているようですが、最近は中国でもその傾向が強いようで、最近開発された車両の軟座には、後述の1等座車(RZ1)のようなリクライニングシートが採用されています。ソファースタイルの優雅な軟座車は、徐々に過去のものになっていってしまうのでしょうか・・・?
 
写真は石家庄駅で見つけたRZ22型です。
旧型の軟座車で、少数派となってしまった希少車です。
2006年1月 石家庄駅にて撮影。

軟座車 車内(RZ24型客車)
軟座車 車内(RZ24型客車)

軟座車(RZ24型)の車内です。
車内はゆったりとしたソファーシートが2−2の配置で並んでいます。
ちなみにこの車両は東独製です。
 

軟臥車(RW25T型客車)
軟臥車(RW25T型客車)

☆RW 軟臥車☆
 Ruan Wo Che <A寝台車>
 
中国で一番高級とされる等級で、日本でいうところのA寝台車です。
4人1室のコンパートメント寝台車で、白いカバーが掛けられた向かい合わせの2段ベッドが、まくら木方向に配置されています。室内にはお湯の入った魔法瓶が用意され、白いテーブルクロスが掛けられた窓際のテーブルには、花が飾られた一輪挿しの花瓶が置かれています。最近の新型車両には、各寝台毎に専用の小型テレビが取り付けてある車両もあるようです。もちろん、コンパートメントですから、空調や照明も自由に設定出来ます。

軟臥車 車内(RW25T型客車)
軟臥車 車内(RW25T型客車)

硬座より約2.7倍程高い運賃となりますが、清潔な車内にやわらかいベッドという快適な空間で移動出来るのですから、この値段にも納得です。
また、国際列車や直達特快などに連結されている2人1室の最高級コンパートメント寝台車“高包”も、このカテゴリーに分類されています。
 
写真は最新型のRW25T型です。
カナダのボンバルディア社と中国の四方車輌廠が製造した車輌で、直達特快列車に使用されています。
 
写真上 車輌外観:
2006年1月 北京の東便門鉄路橋にて撮影。
 
写真下 車内通路:
2007年4月 Z14次直達特快列車車内にて撮影。
 

1等座車(RZ125Z型客車)
1等座車(RZ125Z型客車)

☆RZ1 1等座車☆
 Yi Deng Zuo Che <1等車>
 
軟座車のグレードアップバージョンとして、1990年代に登場した特別車両です。
日本語訳は「1等車」と書きましたが、国鉄からJRへの移行時に日本各地で登場した「グレードアップ・グリーン車」とした方が適当かも知れません。
もともと上海エリアを走る旅游列車に投入された車両で、方向固定式のリクライニングシートが、通路を挟んで2−2で並ぶ車内レイアウトとなっています。ただ、最近開発された「神州」型 などの新型車両の軟座車にはこのスタイルが採用されており、このカテゴリーがこの先どうなるのか心配です。
 
写真は1等座車(RZ125Z型)です。
この25Z型は、時速160㎞/h 対応形の車両です。ボディーマウント式でいかにも速そうですね。
1997年11月 上海駅にて撮影。
 

餐車(CA25G型食堂車)
餐車(CA25G型食堂車)

☆CA 餐車☆
 Can Che <食堂車>
 
日本ではすっかり勢力を無くし、『トワイライト・エクスプレス』『北斗星』『カシオペア』の3大豪華寝台特急のみへの連結となってしまった食堂車ですが、中国国鉄では特快から普快まで種別を問わず、中・長距離列車には連結されて、まだまだ現役です。
 
写真はCA25G型です。
2006年1月 北京の東便門鉄路橋にて撮影。 

餐車(CA25G型食堂車) 車内
餐車(CA25G型食堂車) 車内

餐車(食堂車)CA25G型の車内です。
 
2006年1月撮影。

窓辺にささやかな飾りを・・・
窓辺にささやかな飾りを・・・

昔、日本でもたくさんの列車に食堂車が連結されていた頃、
窓辺にはメニューと一輪挿しが添えられていました。
そんな懐かしいディスプレイが、中国の食堂車にも添えられています。
 
2006年1月撮影。

行李車(XL25G型荷物車)
行李車(XL25G型荷物車)

☆XL 行李車☆
 Xing Li Che <荷物車>
 
日本では国鉄時代の昭和61年11月のダイヤ改正をもって廃止されてしまいましたが、
中国ではまだ荷物車が存在します。
客車列車の編成の端に連結されている姿をよく見かけますが、その他に、時速160Km/h対応型のXL25T型荷物車で編成された「行包快車」という荷物専用列車も運行されています。香港−広州間の直通特快列車には軟座との合造車も存在し、車種記号はRZXだったと記憶しています。
 
写真はXL25G型です。
2006年1月 北京の東便門鉄路橋にて撮影。

郵便車(UZ25K型郵便車)
郵便車(UZ25K型郵便車)

☆UZ 郵政車☆
 You Zheng Che<郵便車>
 
こちらも日本では車両が廃止され、コンテナ輸送で細々と行われている鉄道郵便輸送ですが、中国の列車には、現在も郵便車が連結されています。荷物車と同じく、客車列車の編成の端に連結されて運行されています。
 
写真はUZ25K型です。
2008年2月撮影。

空調発電車(KD25G型電源車)
空調発電車(KD25G型電源車)

☆KD 空調発電車☆
 Kong Tiao Fa Dian Che <電源車>
 
長らく車軸発電(台車内に発電機を設置して、車輪の回転力をベルトで発電機に伝達して発電する方式)に頼ってきた中国の客車でしたが、1990年代に入ってから、電源車でディ−ゼル発電機を作動させて、編成全体に電力を安定供給する集中電源方式を採用しました。そのために開発されたのがこの空調発電車です。編成の最後尾または機関車の次位に連結されているため、遠くから見ると行李車や郵政車と見分けが付きにくい車両ですが、近くで見てみると、いかついエアーダクトやディーゼルエンジンの轟音で、一発で見分けが付きます。
 
写真はKD25G型です。
2006年1月 北京の東便門鉄路橋にて撮影。

公務車(GW97349号車)
公務車(GW97349号車)

☆GW 公務車☆
 Gong Wu Che <公用車>
 
主にVIP専用車の事を指します。
日本でVIPが鉄道で移動する時には、全てグリーン車を使うので適当なカテゴリーが思い浮かびませんが・・・、あっ、一つだけありました。かなりぶっ飛んでしまいますが、お召列車がそれにあたります。
公務車には元満鉄(満鉄=満州国の国策会社、南満州鉄道のこと。歴史の授業でならいましたね。)の車両が使われている事が多く、あの有名な大陸超特急「あじあ」号 の展望車だったテンイ8型(GW95000)も含まれます。また、最近になって、寝台展望車テンイネ2型(GW97310)が日本からの団体ツアーに使われたこともあり、もしかしたら乗るチャンスがあるのかも知れません。
 
写真はGW97349号車で、元満鉄のテンイネ型寝台展望車です。
2002年2月 中国鉄道博物館にて撮影。
 

特種車(TZ)
特種車(TZ)

☆TZ 特種車☆
 Te Zheng Che <特種車両>
 
特種車両と訳しましたが、保守・点検用の車両と訳する方が適当かも知れません。
多くはDJ(軌道検査車)、SY(試験車)、YL(医療車)など、TZ以外の記号で表記されますが、全て特種車に分類されます。また、軍用車輌もこのカテゴリーに分類されます。
TZと表記されている車両として、架線検測車やトンネル検査車があります。
 
写真の車輌は保線要員の移動用車輌で、車内には休憩室や厨房があります。
日本の車輌のカテゴリーで言えば職用車に相当する車輌です。

軌道検査車(DJ25K型軌道検測車)
軌道検査車(DJ25K型軌道検測車)

☆DJ 軌道検査車☆
 Gui Dao Jian Cha Che <軌道検測車>
 
機関車に牽引(または、定期列車に併結)されて、レールの検査をする軌道検測車です。日本でいうところの「マヤ検」や、新幹線の「ドクターイエロー」「East−i」にあたる車両です。
 
写真はDJ25K型です。
2006年1月 北京西車輌段付近にて撮影。
 

双層軟座車(SRZ25B型客車)
双層軟座車(SRZ25B型客車)

☆S 双層車☆
 Shuang Ceng Che <2階建て車両>
 
この記号は、これまでに紹介した車種記号の前に付いて、2階建て車両を表します。
各地の旅游列車や、一部の短・中距離特快や快速列車に使われている双層硬座車(SYZ)や双層軟座車(SRZ)の他に、長距離列車に使用される、双層硬臥車(SYW)と双層軟臥車(SRW)があります。 また、双層餐車(SCA)や双層軟座行李合造車(SRZXL)も製造されており、中国の2階建て車両はなかなかバラエティーに富んだラインナップになっています。
 
写真は天津駅から北京まで乗った旅游列車(1994年当時)の双層軟座車(SRZ25B型)です。日本の新幹線サイズのダブルデッカーが連なる中国の2階建て列車は、とにかくすごい迫力です。
 
1994年1月 天津駅にて撮影。
 

双層軟座車 車内(SRZ25B型客車)
双層軟座車 車内(SRZ25B型客車)

双層軟座車(SRZ25B型)の車内(2階部分)です。
2−2のシート配置です。
 
1994年1月撮影。
 

双層餐車(SCA25K型食堂車)
双層餐車(SCA25K型食堂車)

2階建食堂車(双層餐車)SCA25K型です。
 
2004年2月10日 北京の東便門鉄路橋にて撮影。
 

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