☆中国のディーゼル機関車のあゆみ☆
中国では1950年代にディーゼル機関車の開発がはじまりました。
ディーゼル機関車の開発がはじまった翌年の1958年、中国初の本線用ディーゼル機関車「巨龍型」が登場しました。
「巨龍型」には、ディーゼル発電機で発電した電気でモーターを駆動させて動力を得る電気式が採用されました。この手法は、1964年に試作機として誕生し、1966年に中国初の量産型ディーゼル機関車として登場する「東風型」や、同じく1966年に登場した入換機「東風2型」にも引き継がれていきます。
また、電気式の他に、ディーゼルエンジンの動力を液体変速機(トルクコンバーター)を介して動力を得る液体式ディーゼル機関車の開発も進められ、1966年には、中国初の液体式ディーゼル機関車となる「東方紅1型」が登場しました。
その後、「北京型」や「東方紅」シリーズの液体式ディーゼル機関車も、電気式と並行してニューモデルが開発・製造されましたが、1988年に製造された「東方紅5B型」および「東方紅5C型」を最後に、国鉄線用の液体式ディーゼル機関車の製造は打ち切られ、中国の国鉄線のディーゼル機関車の動力方式は電気式に傾倒していきました。
液体式は製造が打ち切られてしまいましたが、一方で、開発製造が進められていった電気式ディーゼル機関車は、その後中国のディーゼル機関車の代名詞とも言うべき名機となる「東風4型」が1970年に登場。1972年には「東風型」のギア比を変更して高速化された旅客用の「東風3型」が登場し、1984年からは「東風4型」の改型が続々と登場します。入換用でも「東風5型」(1976年)や「東風7型」(1982年)など、電気式が進出していきました。
現在、中国のディーゼル機関車は、国鉄線では電気式が圧倒的な勢力を誇り、本線用から入換用まで幅広く活躍しています。
液体式は、専用線や地方鉄道での運用がメインとなりましたが、「東方紅」シリーズの他に、工場や製鉄所などの専用線用に製造された「GK型」と呼ばれる液体式ディーゼル機関車が存在し、専用線では今後も活躍が見られそうです。
ただ、専用線では蒸気機関車が使用されている所が多数あり、鉄ちゃんとしては、このような路線で液体式ディーゼル機関車が活躍するのは、正直なところ、あまりうれしい話ではありません。複雑です・・・。