☆韶山9型(SS9)
東北電化とともに時を刻むメタリックボディーの渋いヤツ!
かつては前進型や人民型、さらに、元満鉄パシナ型のSL7型など、蒸気機関車の名機たちが往来した中国東北部のメインラインである京哈線(北京−哈爾濱間)や瀋大線(瀋陽−大連間)。しかし、この区間でも電化が進み、ついに蒸気機関車は淘汰され、ディーゼル機関車さえも安泰とは言えない状況になりました。
その東北各線の電化とともに、1998年から43輌生産された電気機関車が韶山9型(SS9)です。
旅客用の準高速型で、運転最高速度は170Km/h、車軸配置はC−Cです。
シルバーグレーとメタリック・グリーンをベースにオレンジのラインが入った独特且つなかなか渋い塗装のボディーは、全体的に丸みを帯びた感じでありながら、両端は日本の京成電鉄の空港特急「スカイライナー」のAE100系のように、屋根から裾付近まで斜めにカッティングしたような大胆なデザインとなっています。
韶山9型は、当初は全機長春機務段に配備されていましたが、2007年4月の第6次大提速のダイヤ改正時に7輌(予定)が上海に転属することになっています。東北では京哈線の長春−瀋陽間で運用されており、満州里経由でモスクワへ向かうK19/20次国際列車の牽引も担当しています。
国際列車の牽引も担当する活躍ぶりの韶山9型ですが、2005年には事故により0004号機が全損。また、以前0001号機が人身事故に遭遇した際、被害者の腸を車体に残したまま走行したというウワサから“腸子車”と呼ばれるなど、ちょっとありがたくない話題が多いのは玉にキズといったところでしょうか・・・。
残念ながら、韶山9型をベースに開発された韶山9G型(SS9G)の登場により、0043号機を最後に生産が打ち切られましたが、東北のみならず上海でも運用される事になり、これからも注目されていくことでしょう。
・全長 22.2m
・最大出力 5400Kw/h
・運転最高速度 170Km/h
・車軸配置 C−C